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K.O.G WATER DRAGON / SCHPELTOR

いつかは作りたい！念願のキットはあるもので、生嶋さんのシュペルターもその内の一つでした。作りたいとは思っていても、なかなか手を付ける勇気が出せずに10年近く経ってしまいました。今回も作ってみるキッカケは、前回のKOG同様、絶版になってしまうと聞いて2011年夏のワンフェス会場へ行き、生嶋さんの完成品を目にしたのが動機です。

キットはいまさら言うべくも無い、生嶋さんの初期代表作。と言うより、モーターヘッドガレージキットの名作中の名作！と、言っても良いでしょうね。某メーカーがリメイクキットやインジェクション成型のキットを出した今日でもその座は揺ぎ無い（今回もかなり言い過ぎ）・・・絶版になってしまうのは悲しいですが、今まで20年間パーマネントなキットとして存在してきたことが、それを実証していると思います。

製作については前回のKOGのページで記載したとおり、今回も変わらず表面処理とスジ彫り、モールドを深くする作業中心です。大体2ヶ月くらいはいじっていたはずです。詳しくはKOGのページを参照して下さい。

ポーズ付け、仮組みは、このシュペルターは重いベイルやバスターランチャー等の武装も無いので、それほど神経質には行っていません。ただ、股関節、膝、足首は過重が掛かるので、それなりに2ｍｍの真鍮線+エポキシパテを使用して固定します。他の箇所は1ｍｍ、1.5ｍｍ、2ｍｍのアルミ線で軸打ちします。組んだ後も曲げたり、ひねったりと調整が出来て、ポーズが硬い印象がなくせます。しかし強度的にはイマイチなのが難点です。

その他、頭部のホーン。スパイドの鍔等のホワイトメタルパーツは今回もお馴染みのペーパー掛け、コンパウンド磨きだし仕上げです。今回ちょっと工夫して磨きだした後に少し時間を置いてからプライマー、クリアーと吹いて、若干酸化して黒ずんだ状態で仕上げてます。黒く鈍いギラつきがいい感じ？ではないかと。プライマーはガイアノーツのマルチプライマー。知る人ぞ知る最強のプライマー、ミッチャクロンの瓶入りでこれはオススメですよ。

塗装、仕上げについても今回もKOG同様、生嶋さんの完成見本を目標にします。ただし、今回はゴールドの塗料はクリアーオレンジを数滴たらした物で、KOGの時より印象が結構違います。

本体の白は今回もフィニッシャーズのファンデーションホワイト。間接のグレーはニュートラルグレーに紫とブルーを混ぜたものです。本体のホワイトはホワイトパール、間接部はブルーパール、共にボークス社のパウダーを適量、これまたフィニッシャーズのオートクリアーに混ぜて吹き付けます。ちょっと控えめな表現ですが、適度にキラキラしてあまり下品なカンジにはならない様に心掛けました。

両足のストライプはクレオスの８番のシルバーそのまんま。

そのストライプの両脇の金の縁取りはデカール処理ですが、上手に貼る自信が無かったので思い切って外側にもう一本スジ彫りを彫っちゃってます。デザインナイフで慎重にアタリをつけた後、おなじみのハセガワのラインエングレーバーで彫ります。わずか1ミリも無い横に生嶋さんのモールドがあるので、お手本にしながら表現を合わせます。落ち着いて彫れば結構出来る物ですね。

その後、ミラージュマーク、シュペルターの紋章のデカール貼りは古いキットで少々余白が黄ばんでいたので丁寧にカットして貼り付け。デカールの段差を消したかったので、（私にしては）珍しくクリアー吹きして＃1500〜＃2000のペーパーで水研ぎ、コンパウンド掛けして磨き出してあったりします。塗料はオートクリアーを使用で４〜５回位吹き付けましたが、あまりボテーっとした感じにはなっていない（と、思います）です。しかし！ココでちょっと手痛い失敗をしてしまって、ちょっと後悔。どこをどうとは書きませんが、うーむ、やっぱり1パーツドボンして後でなおさなければ・・・。

デカールの無いその他のパーツもメタリックの酸化防止、保護の為に2回づつクリアーを吹いています。が、磨かずに吹きっぱなし仕上げです。

そんなこんなで、念願叶って完成！今時珍しい、オールドスクールな仕上がりですね。前述の通り、思い入れだけが先行してなかなか手が付けられませんでしたが、実際作って完成させるのはやっぱり良いですね。目の前に立体が立っている存在感はやっぱり違います！これぞ模型の醍醐味というか、苦労が報われる瞬間でした。

完成品のケースではKOGと肩を並べて、眺めながらウットリしています♪

画像は(C)EDIT

製作参考資料　月刊モデルグラフィックス　1992.9月号