HOLY EMPIRE ATOOL・ X333

THE EMPRESS ADDLER;2997

1/100 炎の女皇帝

ワークショップキャスト レジンキャストキット

2019.4.29 完成

はや、完全に燃え尽きて真っ白な灰状態?なFSS。モータヘッドと言う物自体が過ぎ去った存在になってしまった感もあります。そんなGTMに真っ先に変更されてしまったモーターヘッドが、このエンプレスだった・・・と言うのも何だか感慨深いものがありますね。エンプレスのデザイン自体は当時のプラスチックスタイルで発表され、始めてみた時は「なんじゃコリャー!!!」と、ド肝を抜かれました。あの画集自体今までのモーターヘッドのデザインをかなり激しく変革させたものだったワケで。・・・それから早20年以上。デザイン自体は何時になっても時代や古さを感じさせない物だと思いますが・・・。

キットはワークショップキャストのラインナップでも、生嶋さんに次いで作品を多数発表されている山岸幸司さんの原型。先の様に(当時)モダンなデザインを、生嶋さんの作られたキットとは、明らかにタッチの違う繊細なモールド表現で造形されていているのが、特徴だと思います。発売当時は生嶋さんのネプチューンと対照的な造形で、手にとって観察し、とても感心したものでした。

そして、約20年後・・・前回のバンドールの完成後(某レッドも作りましたが)どうにも熱が下がってしまったらしく、モーターヘッドのキットは全く手を付ける気にならず・・・。しかし、Tkさん主催の模型クラブに顔を出すようになると、昔と変わらずモーターヘッドが盛り上がっていて、GTMだのMHだの、あんまり関係ないよな・・・と。まだまだ遣り残した(作り残した)キットがあるのでは?折角手を付けるなら、思いっきり難しいキットにしてみようと。で、改めて気が付いたのがこのエンプレス。だったわけです。

 

それでは製作について。いつもの表面処理からスタートしますが、前述の通り、各部の繊細なモールド、ベイルのエングレービング等、文字通り、細かい!の一言。各部の筋彫りもこれまた非常に繊細。これらを潰さないように慎重な作業を要求されます。その表面処理も直接塗り分けのマスキングに直結するので、手を抜くと塗膜がペロペロ剥がれるのが確定するので頑張るしかありません。筋彫りモールドもいつものスジボリカーバイト0.15mmではなく、この時の為に温存していた?0.1mmを投入(胸部ブロック側面のモールド、フェイス部の瞳周り)です。細身の機体ですから、時間自体はそれほど掛かりませんが、非常に神経質な作業の連続でした。

続いて、このキットの難しいポイントその2!なのが、仮組み、ポーズ付け。重なり合ったスカートを調整しつつ、スラット延びた脚部をバランスよく、本体を傾かせずセットするか、に、かなり苦戦しました。結局、完成見本の様にはならず、スタンスを広めに取って安定させて逃げましたが、改めて難しさを痛感することになりました。

更に続いて、難所ポイントその3!キットの説明書にある通り、特徴的な頭部のホーンは後部の別パーツを接着前に内側を塗装し、接着、継ぎ目を埋めて表面処理の後、パールホワイト・・・と続くのですが、これがやってみると凄く大変!問題の後部ホーンはせっかく接着して表面処理し、塗装まで行った所で、強度不足でボキッともげちゃったりとか、信じられないトラブルもあって、ここだけで約2週間くらい時間を要しました。そんな感じで、実は仕上がりにはあまり自信が無いのですが・・・まあ、仕方ないですよね。

そしてそして、まだまだ難所は続きます。そう、マスキング!です。見ての通り、頭部や胸部、ベイルのファイヤーパターン、各関節のメカ部分等々、主な塗装がメタリックなだけに、ここも超頑張るしかありません。マスキングテープを新品1本使い切った上、2週間かかりましたwと、グチは程ほどに各部のカラーリングは以下の通り。

ホワイト・・・いつものフィニッシャーズ・ファンデーションホワイト。いい加減乱用していますが、結局はこれが一番白くなる!その上から同フィニッシャーズのホワイトパール。このパール、何が良いのかって言うと、初めからベストな濃度に調整がしてある点。きらめきも繊細で文字通り純白なパール表現になり、大のお気に入りです。実の所、写真にはあまり写らずに効果が?ですが、これは作った本人の役得?と 実物を生で見られる展示会等でのお楽しみと言うことで。

レッド・・・他の皆さんは結構暗めな赤にしているのを目にしますが、それに逆らって発色の良い真紅。これまたフィニッシャーズカラーのリッチレッド。つまり、いつものフェラーリレッドなわけで(ちょっと恥ずかしい)発色を良くする為に下地にピンクを塗装しますが、今回相手が繊細なモーターヘッドと言うことで、タミヤのピンクサーフェイサーを使用しています。深みがありながら発色の良いレッドになって、狙った通りの効果になりましたと(ちなみにレッド部以外のパーツは通常のグレーのサフ)

関節部等のメタリック・・・下地にグロスブラック(ガイアノーツのEXブラック)を吹いてピカピカになった所に、クレオスのメッキシルバー(昔の旧製品、未だに使い切れずに残っているだけ)とタミヤラッカー塗料のシルバー(いかにもタミヤのシルバーな粒子の細かい、白みがかったシルバー)を各部に使い分けています。ポイントは隣り合ったパーツを塗り分けて質感の違いを演出できるように。さらに肩アーマーやベイルの裏側等はこれまたタミヤラッカーのメタリックグレー。ジークフリードの項でも書きましたが、本当良い色!逆にベイルの表側は今までのグンゼの8番のシルバー。エングレービングとファイヤーパターンの対比を考えて、ちょっと鈍い輝きのシルバーです。

各部のゴールド・・・基本はネレイドーに塗ったゴールドの余りです。頭部のアゴ、即頭部に掛けては、ここでもタミヤラッカー塗料のチタンゴールド。これも待ってました!なカラーで、発売を聞いたとき、コレでエンプレスを塗ろう!と決め打ちです。その他、胸部のモールドにはガンダムマーカーのゴールドを筆塗り仕上げと、各所で使い分けます。

その他、ベイルのファイヤーパターンはガイアノーツのビビッドオレンジ。ウネウネと浮き彫りされた様なエングレービングはマスキング仕上げは断念!して、シタデルカラーの筆塗りにて。クリアー吹きでコーティングすればそれど筆ムラも目立たないと思うのですが・・・あんまり自信が無い。。透明クリアーパーツは、プライマー(ミッチャクロン)吹きした後、クリアーオレンジ仕上げ。取り付け部分には前述のメッキシルバーを塗ってあるので、見る角度によってキラキラと乱反射して、思っていた通りの効果が出てよかったよかった〜。

その後、各部を墨入れの後、クリアー塗装はこれまたフィニッシャーズのオートクリアー。今回、面積の広い赤塗装の装甲部分のみ、いつもよりちょっと厚めにクリアーを重ねてコンパウンドで磨き出してみます。ポイントはペーパーで研ぎ出さずに、コンパウンドのみで磨いてある事かしら。その後、ハセガワのコーティングポリマーを塗り込むと、ピカピカ、と言うよりヌラヌラした質感というか輝きが出てきます。カーモデル以外は全く行わない表現ですが、今回は超スペシャルなモーターヘッドと言うことで、いつもと違った質感表現も良いのではないかと。

最後の組み付けは仮組みを何回と無く繰り返したので、以外に順調。だったのですが、今回ちょっと一工夫で、展示会等で出張する事を考えて、肩アーマー、頭部、胸部はネオジム磁石固定で分解できます。おまけ効果で本編中の肩アーマーを外した状態も再現出来ちゃったりして。

そんな感じで完成!できましたが、新規で手をつけたモーターヘッドとしては、バンドール以来、実に6年振り・・・製作開始から完成まで、足掛け2年以上掛かってしまいました。非常に手こずったキットでも有り、達成感と満足感が半端ではないですね。随分とブランクが空きましたが、これが復帰第一作となるのか、はたまた単発で終わるのか?まあ、何だかんだでモータヘッドのキットはいいもんですな、と。


 

 

 

 

 

 

 

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