FERRARI F-92 AT
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フェラーリが92年のF−1GPに投入した、非常に野心的なマシンがこのF‐92Aです。超特徴的なダブルデッキ構造を持つシャシと、フェラーリ初の本格的ハイノーズ、を当時ティレルから移籍した天才的デザイナー、ジャンクロード−ミゴーがデザインしたマシンです。
枕終了。結局の所、前年から急速に戦闘力(ドラゴンボール風)を失っていったフェラーリの成れの果て、というか。見るからにおかしな要素が満載なナイスなマシンとして深く記憶に残ってます。ただでさえ重くて、でかそうなV12のエンジンを高そうな位置にセットしたり、ラジエーターその他も一段高い場所にセットしたら、重心が高くなりそうなのが素人目にもばっちりな感じがなんとも。結果、戦績はいわずもがな。おそい、壊れる、パワー無いの3拍子そろった、大変なことになってましたっけ。(確か?最高で5位入賞がやっと)
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反面、ティレル020の空力コンセプトを更に進化させたような、ノーズやサイドポンツーンとか、一応当時、空力のスペシャリストとか言われたミゴー氏のセンスが光る、超カッコイイマシンでもありますね。翌年フェラーリに復帰する、ジョン・バーナードに「あいつは要らない」の一言でクビになってたりするあたりも、超ナイスかも。 キットの方はこれまた当時、飛ぶ鳥を落とすような勢い(に陰りが見えてきた)だったモデラーズの製品。翌年(キットが出たのは93年の秋)のセナの事故死で、一気に沈静化したF−1キットラッシュの最後の花火な感じのする大作です。 当時、超気合の入ったキットにも関わらず、出回りはあんまり良くなかったらしく、現在は結構、貴重なキットになってるみたいです。当時買えたのはラッキーだったのかも。 |
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確か、箱を開けた印象は決して良くなかったような気がしました。タミヤのキットとか見慣れた目で見ると、エキマニとか凄くチープな彫刻。カウルを閉めてプロポーション重視で、とか当初は思っていたですね。 それをどう言う訳だか、フルディテールで作ってみようと手を加えたのがこれだったのです。問題のエキパイとかを彫刻刀、デザインナイフとかで削ってる内にいい感じになって来たのと、アンダーカウルの縁を薄く削り過ぎちゃったり、パイピング追加し過ぎでアッパーカウルが閉まらなくなっちゃったのがホントの原因。 キットと同時発売でモデラーズから専用のエッチングパーツセットと、小冊子にまとまった資料集が発売されて、それらを活用。パイピングとか各種コード類を写真を参考に、実車以上にくねらせて、至る所に這わせます。 |
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その他を簡単に説明すると、各ウイング、カウルの縁は薄く削って。シートベルトはモデラーズ製に、ケント紙とか厚手の紙を着色してなめした物を使用。フェラーリレッドをピンク地に吹いて、スパークリア。デカールはキットのカルトグラフ製+タミヤのゼッケン。と当時お約束とも言えた工作を、行き着く先までやってみた、と言うのが印象。 汚しとかも、内部、エンジンはきつめに、反面ボディはコンパウンドでピカピカ。で、ニス塗りのデコパにセットする小林誠先生調な仕上がりを目指して完成。 出来上がって相当満足もしたんですが、燃え尽きた感も凄まじく。コレを最後に1/20のF−1とか作らなくなっちゃいました。(要は飽きちゃったんですね) |